テオ・ヤンセン展を見てきた

とある平日、体調が悪くて午後の仕事をお休みにさせてもらった。病院に行ったら時間的にお釣りが出たので、前から気になっていた「テオ・ヤンセン展」を見てきた。

アニマリス・モデュラリウス
アニマリス・モデュラリウス

この展覧会をきっかけにいくつかのテレビ番組で取り上げられたらしくて、だいぶ知名度が上がっているらしい。そういう私もめざましテレビかなんかで見て、いっぺんに心を奪われたのだった。

不思議なビーチアニマルたちに囲まれてすっかりテンションが上がってしまい、体調のことも忘れて写真を撮りまくった。急に思い立ったのでカメラを持っていかなかったのが悔やまれる。

会場は日比谷パティオ。日比谷公園の向かい側、ビルの谷間にすぽんとできた空き地に仮設っぽい建物が集まった広場である。その中央に設えられた、小さめの体育館のような建物が会場になっている。

入場料は¥1,500とちょっとお高め。しかし、展示してあるアニマルたちのある意味生々しい姿を見るだけで十分モトは取れた気がする。粘着テープやナイロンバンドでつなぎ合わされたプラスティックのチューブ。細部を眺めると無骨だが、全体を眺めるとなんだか優美に見えてくる不思議な感覚。彼らが強い海風を受け、ビーチを歩き回る姿をぜひ見てみたいと強く思った。

アニマリス・オルディス
アニマリス・オルディス

そして、今回の展示の目玉が「押して遊べるビーチアニマル」。BMWのCM用に制作された「アニマリス・オルディス」というアニマルを、見学者が押し引きして歩かせることができるのだ。

これがまた貴重な経験だった。たくさんの足が、ギシギシときしみながら計算された滑らかな動きで前に出る。あまり広くない会場だが、まずは自分で3往復。同行したヨメに2往復させて、じっくり動きを観察した。

アニマリス・ルゴサス・ペリストハルティス
アニマリス・ルゴサス・ペリストハルティス

展示を一回り見てすっかりハマってしまい、パンフレット(¥1,600)とDVD(¥2,000/会場特価)を購入してしまった。あまつさえ翌週参加する「Genesis Lightning Talks」での予定していた発表テーマまでこちらに変えてしまう始末。相変わらず影響されやすい私ではある。

テオのラボ
テオのラボ

アニマル以外の展示も充実していて楽しかった。片隅にはテオ本人のラボを再現したコーナーが作られ、設計図と思われるスケッチや古いコンピュータ(ATARI 1040ST!)、さらにアニマルの関節が触れる状態で置いてある。

再現されたラボに掲げられた説明パネルに、気になる一言があった。彼はアニマルの足の仕組みを、パテントを取得せずに公開しているのだ。「アーティストやエンジニアに、この聖なる数字を使って何か作ってもらえたらうれしい」のようなことが書いてある。あとで調べようと思ってちゃんと記録しなかったら、いくらググっても出てこないのが悔やまれる。うーん、買わないとダメか?

アニマリス・リノセロス・リグナタス
アニマリス・リノセロス・リグナタス

というわけで、体調を崩したおかげでとても貴重な体験をさせてもらった。勢いあまって20数年ぶりに紙工作にまで手を出してしまったので、それはまたのちほどエントリする予定である。

テオ・ヤンセン展は4/12(日)まで開催中。未見の方は日比谷へ急ぐことをお勧めする。

●-Theo Jansen- テオ・ヤンセン展 公式HP

http://www.hibiya-patio.jp/theo/

●YouTube – テオ・ヤンセン

http://www.youtube.com/results?search_type=&search_query=%E3%83%86%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3&aq=f

●「日比谷パティオ」 ヒビアカリ(HIBIY-AKARI)プロジェクト

http://www.hibiya-patio.jp/

●Amazon.co.jp: Theo Jansen: 洋書