昼間から利き酒でへべれけになった
「第2回東京島グルメ 焼酎利き酒の会」というのに参加してきた。伊豆 / 小笠原諸島の地酒である焼酎(現地では「島酒」というそうだ)と、島の食材を使った料理を楽しめるらしい。ヨメがどこかで見かけたらしく、期限ギリギリで応募したら見事当選。この人はこーゆーことにやけに強い。
会場は竹芝桟橋にある「東京愛らんど」という東京島しょのアンテナショップ。運営は東京都島しょ振興公社という財団法人。いろいろツッコミどころはありそうだが、今日の目的はへべれけ島グルメと焼酎なので、飲み食いに専念することにする。
イベントの概要は以下のPDF参照。
http://www.islands-net.metro.tokyo.jp/island-resident/jigyou/date/dai2kai_kikizake1.pdf
http://www.islands-net.metro.tokyo.jp/island-resident/jigyou/date/dai2kai_kikizake2.pdf
PDFしか存在しなかったり、2ページの資料を2ファイルにしちゃったりするあたり、お役所特有のもっさり感が強い。
おっとツッコミ入れてしまった。この日は京浜東北線が人身事故で大きく遅れ、開始直前の到着になってしまった。こういうとき…
- 「不慮の事態で大きく遅れたが余裕を持って行動していたので間に合った」
- 「余裕を持って行動していたのに不慮の事態で間に合わないところだった」
のどちらで考えるかで、人生の過ごしやすさが少し変わるような気がする。
そろそろ本題に入ろう。到着して受付を済ませ、案内されたのはアンテナショップの奥にあるレストラン。前方には利き酒されるボトルたちがずらーっと並び、テーブルにはすでにカップが用意されていた。13種類もあるのでどちらもちょっとすごい眺めになっている。
主催者挨拶と講師の友田晶子さんによる焼酎講座の間は「おあずけ」。こんな会に能動的にやってくるような連中だから、参加者はみんな早く飲ませろオーラを立ち上らせていた。もちろん私とヨメも。
今回の目玉は貴重な3種類の酒。青ヶ島で作られている「あおちゅう伝承」は、生産量が少ないためなかなか出回らない貴重品だそうだ。そして一番右はラム酒。小笠原諸島で作られているそうで(ぜんぜん知らなかった)、その中でも今回は17年もの(!)という貴重品。配布された資料にも「この3種はおかわりできません」と明記してある。
ところが料理が出始めての「へべれけタイム」になると、スタッフの方がどんどんおかわりを勧めてくれる。貴重品なのにいいのか?と聞くと「開封しちゃったら残しても仕方ありませんから」とのこと。そりゃごもっとも。私は「あおちゅう伝承 紅東」、ヨメはラム酒が気に入り、重点的に飲んでいた。
明るいうちから焼酎とラムをストレートで飲んでいれば、そりゃへべれけにもなる。そんな状態でも「利き酒だから」と必死にメモを取っていたので清書してみる。点数は自分のための目安なので完全に主観である。
- 「あおちゅう伝承」(青ヶ島)さつま芋・麦麹/30度
…8点:ものすごく芋々しい、酸味、野性味、甘みを感じない、香りは強くない
- 「あおちゅう伝承 紅東」(青ヶ島)さつま芋/30度
…9点:(1)より甘め、酸味控えめ、芋々しいのは同じ
- 「ラム酒」(小笠原)さとうきび/40度
…9点:うまい、甘くてやわらか、さすがに強い
- 「天上」(大島)麦・麦麹/25度
…6点:甘い、丸い、パンチなし
- 「嶋自慢(樫樽)」(新島)麦・麦麹/25度
…7点:ウイスキーっぽい
- 「盛若(樫樽)」(神津島)麦・麦麹/25度
…6点:(5)より軽い
- 「雄山一」(三宅島)麦・麦麹/25度
…5点:ふつう、飲みやすいが個性はあまり
- 「一本釣り」(八丈島)麦・芋・麦麹/25度
…5点:飲みやすい、パンチない
- 「黒潮」(八丈島)甘藷・麦・麦麹/25度
…5点:(7)と同じ
- 「鬼ごろし」(八丈島)甘藷・麦・麦麹/25度
…6点:甘い、芋+麦にしては好み
- 「磯娘」(八丈島)麦・芋・麦麹/25度
…5点:軽め、飲みやすい
- 「潮梅」(八丈島)麦・麦麹/25度
…6点:普通に麦、ハイブリッドより楽しい
- 「青酎池の沢」(青ヶ島)さつま芋・麦混合/35度
…7点:荒々しい、ハイブリッドにしては強い
小学生の工場見学メモみたいになってしまった。さすがへべれけ。13番なんかひどいな。「ハイブリッドにしては強い」って、それは単に度数が高いだけじゃないか。
4番以降をグループ分けしてみると、4~7が麦焼酎。島の麦焼酎はトゲがなく飲みやすい傾向がある。5、6は樫樽の香りと風味がアクセントになっている。8~11が麦と芋の両方を原材料にした焼酎。こちらも飲みやすい。12は麦だが先ほどのグループよりクセが強く個性が感じられる。13は青ヶ島の焼酎の「普及版」で、麦焼酎と芋焼酎をブレンドしている。
そしてさらに「番外」としてもう一種類出してもらったのだが、こちらは完全に名前も種類も味も忘れてしまった。
合間に運ばれてきた料理はどれもうまかった。
明日葉のナムル(左)、明日葉のおひたし(右)
明日葉は独特のクセがある青菜(せり科らしい)。クセがあると言ってもおひたしでも問題なく食べられる程度。味の主張があるのでナムルのような濃い味付けにも向いているようだ。
くさやのちぎり(左)、塩辛
くさやは三宅島産。ヨメはニオイに相当苦戦していたが、なんとか「食べるとうまい」ところまでたどり着いていた。私は以前食べたことがあるのだが、今回のものはそれほどクサくない。後で聞いてみたら、やはり初心者向けとでも言うべきニオイ控えめなものだそうだ。それにしてもうまい。どんどん酒が進む。おかわりしたかったぐらい。
塩辛は神津島産の赤いか。身がしっかりしていてイカの風味が強く、こちらも大変酒を進ませるうまさだった。
式根島のタタキ揚げ
ムロアジを叩いて揚げたもの。壁の向こうのキッチンからいい香りが漂っていた。見た目よりふわっとやわらかく、揚げたてのアツアツは今思い出しても腹が減る。
鳥と温野菜のトマト煮
出てくるころにはへべれけで素材の説明なども忘れて「うまいうまい」と食べてしまったが、これもやわらかく煮込まれていてうまかった。
豚肉入りつけ麺
明日葉を練りこんだオリジナルのつけ麺でシメ。ごちそうさまでした。
イベントの最後は利き酒大会。正解者にはお土産プレゼントということで俄然目の色が変わる。挑戦者を挙手で募るというゆるーい運営で、ヨメを含む5人が挑戦…したのだが、全員ハズレ。
急遽2回戦が設定され、今度は私が挑戦者。出てきたのはうっすら琥珀色がついた酒だったので、実質樫樽熟成の(3)か(4)の二択。試飲して「これは(3)に違いない!へべれけながらもメモ取っておいた俺えらい!」と自画自賛しながら回答したら、正解は(4)だった。へべれけなんてそんなもの。
そんなこんなで2時間弱のイベントは終了。食卓に置いてあった新島の一味唐辛子がものすごく辛くてうまかったので、お土産に購入してきた。
酔い覚ましのために田町まで歩いた帰り道、素っ頓狂なカラーリングの船と遭遇した。東海汽船の「セブンアイランド・虹」号らしい。奥に見えるのは日の出桟橋に発着する水上バスだろうか。そして向こうにはレインボーブリッジとキリン(ガントクレーン)の群れ。キリンに反応するあたり、去年の工場クルーズの影響だろうか。
参加費¥2,000 × 参加者20人 = うーむ…、という計算はともかく、楽しく珍しいものを飲み食いさせてもらってこの値段。へべれけ的には大変充実した、休日の午後の過ごし方だった。
●「第2回東京島グルメ 焼酎利き酒の会」開催! – 東京七島酒造組合
http://shimazake.com/2009/01/post-2.php
●東京愛らんど
http://www.islands-net.metro.tokyo.jp/
●STAFF BLOG - 東京愛らんど - 焼酎利き酒の会
http://www.tokyo-islands.net/blog/temp/archives/2009_1_24_46.html
●お酒と食を楽しむライフスタイルのプロデューサー 友田晶子 [飲料コンサルティング, 日本酒・焼酎・ワインセミナーの講師&講演]
●小笠原ラム・リキュール株式会社