「ITトキワ荘」計画
前置き
きっかけはホッテントリ
先日、こんな記事が話題になった。
あとでちゃんと読もうと思い、メモ代わりにURLをtwitterにポストした。そして帰宅すると…記事中で取り上げられていた「老朽マンションの奇跡」という本が届いていた。どうやらヨメも同じ記事を読んで注文していたらしい。
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「届いている」という安心感からまだ読んでいないのだが、概要はこういうことらしい。
古いマンションを格安で入手する
→立地重要
リフォームで付加価値をつける
→業者選定などでコストを抑える
若者向けに適正価格で貸し出す
→win-win
本文よりちょっと引用。
だから、訳が分からずに都会に出てきて、業者から勧められるままに選んでいる。独房のようなワンルームマンションをあてがわれて、業者のカモになっているような若者がいっぱいいるんじゃないでしょうか。
なるほど。以前からずっと無闇に高くて使い勝手の悪いワンルームマンションというのは誰が借りるんだろう?と思っていたが、こういう(あまり喜ばしくない)利用者層があるのか。ひとつ腑に落ちた瞬間だった。
で、この記事が前々から考えていたあれやこれやと組み合わさって、一つのアイデアが浮かんできた。
あれやこれや
具体的なアイデアの前に、組合わさった「あれやこれや」についても簡単に述べておく。
不動産投資だと?
話はがらっと変わるのだが。私のヨメは福岡県から上京して8年ぐらい。ずっと賃貸住宅に住み、財形貯蓄をし、いずれはマンションを買おうと思っていたらしい。一方私は30過ぎまで実家住まい。転居して転職してなんとか自立したっぽい状態にはなったが、家というのは基本「そこにあるもの」程度の考え方しかしていなかった。
ヨメの自説は「年金なんかアテにならん。老後を勝ち抜くには不動産投資だ」というもの。住むことも貸すこともできる場所にマンションを買えばいいじゃないか!と常々主張している。私はイザとなれば実家があるし、返済に30年もかかる借金なんか想像するだけで気絶しそうだし、まったく真剣に考えていなかった。
もちろん、アパートのオーナーになって悠々自適な生活、というのは憧れる。最近ちょっと口癖になってる「はたらきたくないでござる」は冗談としても、自分の時間は自分でコントロールしたいと常々思っていた。
ペッパー軍曹になりたい
またしても話はがらっと変わるのだが。私は昨年からIT勉強会に参加することを覚え、気がついたら「趣味:勉強会」と言ってもいいぐらいにのめりこんでいた。また、仕事でも研修を担当したり社内勉強会を開催したりなど、プログラマ / エンジニアの教育については、経験も興味も意欲も持ち合わせている。
若いエンジニア(やその志望者)と話すと感じるのが、意外と「教育を受ける場」が少ない、ということ。先日「とべとべ」(私が主宰する勉強会)の第7回で行ったアンケートでも、外部の勉強会で出会ったエンジニアと話していても、社内勉強会を開催してみても、折々でそんな印象を受ける。
エンジニア個人にとっても、彼らが働く現場にとっても、そこで作られるシステムを使う人々にとっても、エンジニアの質を高めるのはとても重要なことだと思っている。そして、質を高めるための「教育」について、もっとなにかできることはないか…と、常々考えている。
「ITトキワ荘」計画
以上が長い長い前置き。「老朽マンションの奇跡」という本と、今まで考えていたあれやこれやが組み合わさって浮かんできたのが「ITトキワ荘」計画である。
「トキワ荘」とはなにか
ご存知の方も多いだろうが簡単に説明しておくと、「漫画の神様」と称される故・手塚治虫が若い頃住んでいたアパート。出版社が若手の漫画家を相次いで住まわせたため漫画家のたまり場となり、後の著名な漫画家(石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄など)を輩出した。
「ITトキワ荘」とはなにか
老朽マンション、教育、トキワ荘。これらのキーワードから考えついたのが「ITトキワ荘」である。
想定される入居者
若いITエンジニア、もしくはエンジニア志望の学生。また、東京(など都市部)での就業と定着を目指す地方出身のエンジニアも含む。
大企業に新卒で入手してエンジニアとしてのキャリアをスタートできれば理想だが、そうではない若者(昔の私のような!)にもいろいろなチャレンジをしてもらいたい。そのためのベースキャンプとして機能させたい、
アパートもしくはシェアハウス
共用部分を大きくとり、住人同士の交流を推奨する。
設備を共用化することで運営コストが抑え、賃料も低く抑えるのが狙い。
また、IT業界という共通点がある住人同士が交流することで、情報交換や切磋琢磨の場となるのが最大の目標。いわば「毎日が勉強会」。
立地はあくまで便利に
「老朽マンションの奇跡」の場合は若者に人気の街・吉祥寺だったが、「ITトキワ荘」の場合は「職住近接」が狙い。IT関連の企業が多い場所へのアクセスがよい場所を選ぶ。
ライトウェイトな契約形態
敷金・礼金なし。保証人さえあれば、1か月分の前家賃で入居できるようにする。契約期間は最長3年で更新なし。つまり、更新料もなし。
「契約は最長3年」とするのは、「ITトキワ荘」に永住させないため。3年のうちにスキルと収入を身につけ、自分の力で生活できるようになってほしい、という親心(おせっかいとも言う)。目的は「若者のステップアップ」なので、年齢制限を設けるという手もある。
設備
無線LANによるインターネット接続
共用のキッチン / 冷蔵庫
数人が着席できる椅子・机・プロジェクタ
→「毎日が勉強会」を目指して
蔵書
→もちろん技術書
風呂なし
→シャワーブースが設けられるといいのだが
まとめ
以上、長々と書き綴ったのはまだまったくの「脳内計画」である。書くことによって脳内の整理をするのが目的だったのだが、書いてみたら結構いい設備になるんじゃないか、と思えてきた。自分が10年前に出会ったらきっと入居したがるだろう、程度には。
最後にもう一度まとめると、「ITトキワ荘」とは…
- 老朽マンション / アパートなどをリフォームして安価で貸し出す
- 交流を推奨してITエンジニアの技術レベル向上を促す
- 若者・地方出身者がステップアップする踏み台を目指す
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Links
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